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クラリネット五重奏曲 イ長調(モーツァルト) [モーツァルト]

さて、この音楽日記、最近は、ピアノ協奏曲のシリーズが続いた。
まあ、このシリーズを書いていたら、たぶん、延々と続いてしまうので、
(ラフもライネッケもリャプーノフもタールベルクもマクダウェルも・・・みんな書きたいよう)
まあ、ちょっとだけ ピアノ協奏曲は、一休みしてもらって、
まったく違う曲の種類にしよう。

濃い音楽が続いたので、
今日は、この残暑の中、聴いていて、
ちょっとだけ、幸せになれる、落ち着いた音楽。
そして、極上の音楽の楽しみを与えてくれる音楽。

そう、今日の音楽日記は、モーツァルトの音楽の中でも有名で、室内楽の名曲の一品。
【クラリネット五重奏曲 イ長調】だ。

モーツァルトの死の二年前に書かれたこの作品は、
クラリネットの音色と弦楽四重奏との音色が、かけあい、時に、からみあって、
透明で、すばらしく幸せな音楽となっている。

有名な曲だけに説明は、不要だろう。

もし聴いたことのない人は、この曲の最初だけでも聴いて欲しい。
ゆっくりと、二分音符と四分音符だけで、透明な音楽を弦楽器で演奏し、
6小節目で、八分音符のリズムがきざまれると、
クラリネットがすばらしい音色で、アルペジォで入ってくる。
もう、この部分だけで、音楽を聴く喜びがわきあがってくる。
(常々思うけど、室内楽は、自分で弾ければ、もっと楽しいだろうなあ・・・)

第2楽章の落ち着いた雰囲気も、第3楽章の簡潔なメヌェットも、
第4楽章の明快な主題と変奏曲も
(最後のアダージョの後に主題のコーダが続くところは、好きですねえ)
聴いているだけで、気分は、もう名演奏家だ(えっ・・・)

実は、作曲の構成がしっかりしているのかも知れないが、
それ以上に、モーツァルトの天才の雰囲気を感じさせる曲だ。

クラリネット五重奏というジャンルは、モーツァルトが最初らしい。
この弦楽四重奏とクラリネットの音色の響きのすばらしさから言えば、
もっと、別の作曲家の名曲があってもいいと思うのだが、
なかなか、この編成の名曲は、少ない。
(ただ、ブラームスのクラリネット五重奏曲は、モーツァルトとは別の雰囲気をもった
 名曲だと思います。こちらの方は、クラと弦の融合した美しさかな。
 旋律もブラームスの室内楽、特有の音楽です。)

暑い夏の日には、ピアノの高音の涼しい音もいいけど、
モーツァルトの室内楽もいいですよ。


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コメント 6

Jun

最初の数小節で幸せになれます♪
私は1楽章がいちばん好きですね。
出だしのたった数コの音符であの雰囲気だすのは、さすがです☆
by Jun (2007-09-02 12:23) 

なるたる

ここ数日、モーツァルトのこの手の室内楽を聴いていました。
ホルン五重奏曲・オーボエ四重奏曲・フルート四重奏曲・クラリネット三重奏
曲と来て、このクラリネット五重奏曲。

やっぱり飛び抜けて良いです、この曲。
もうね、主題の魅力、構成、展開、何もかも言うことなし。
突き抜けた透明感、曇りのない明るさ、幸福感、清澄さはやっぱり比類がないです。
白状すると私はモーツァルトがそんなに好きじゃないけど、この曲は正直良いと思います。
私は特に第1楽章でクラリネットが主題を短調で反復するところが好きです。
晴天がほんの一瞬翳ったような、微妙で繊細な気分の変化が素晴らしい。
この微妙な匙加減で雰囲気の一変する作曲技法には、いつもながら感心させられます。

ついでにブラームスのものも、久々に聴いてみましたよ。
嬉々として天上に遊ぶモーツァルトの邪気の無さに比べ、何と感情に彩られていることか。
遣る瀬なさ、憂愁、諦観、哀しさ…こう言った感情が、それでも決して過剰になることなくブラームス独特の旋律のうねりの中で渦巻いている。
やっぱりブラームスはここでも、人間くさくありました。
そしてとても寂しく痛々しい音楽でありました。

戯れ遊びまわる無垢な魂と堪えきれない感情…私にとってこの両曲はどちらも捨てがたい作品なのであります。
by なるたる (2007-09-02 16:34) 

みどりのこびとちゃん

Junさん。コメントありがとうございます。
私も第一楽章は、好きですね
まあ、そのうち、またモーツァルトを書きます。
by みどりのこびとちゃん (2007-09-02 22:36) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん。コメントありがとうございます。
私も、モーツァルトの室内楽の中では、とても好きです。
(残念ながら、有名曲しか聴いていないのですが・・・)

ブラームスのクラリネット五重奏曲もいいですね。
この二曲が、このジャンルでは、双璧かも

あと、レーガーとかよいという人もいるそうですが、
まだ私は、聴いていないのです。
by みどりのこびとちゃん (2007-09-02 22:40) 

なるたる

マックス・レーガーのクラリネット五重奏曲は、他の多くのレーガーの作品と同様に、地味でこれといった心を捉える旋律がなく、後期ロマン派独特の半音階的和声で満たされ、晦渋で重厚でやたら分厚い和声に阻まれ、感情表現に冴えたところがなく、これと言った聴かせどころもなく、どんよりと鈍重で砂を噛むように味気なく、行く宛てもなくさ迷うような、要するに楽しさ皆無の聴くのに努力の必要な曲です。
一言で言ってレーガーファン以外には楽しめない曲です。
少なくとも私にとっては、音楽を聴く喜びとは対極にある曲です。

ふと魔が差して買ってしまったレーガーの室内楽全集(全23巻!)は、殆ど手付かずで粗大ゴミと化しておりますw。
まぁ、一生の内には全部聴き通せるでしょうが…。

でも私はレーガーが決して嫌いではないんだよなぁ、不思議なことに。
by なるたる (2007-09-04 21:48) 

みどりのこびとちゃん

うーん、そう言われると、ゆっくり聴いてみたくなりました。(笑)
でも、楽しめないんだろうなあ・・・
by みどりのこびとちゃん (2007-09-04 23:06) 

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