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交響曲第2番【賛歌】(メンデルスゾーン) [メンデルスゾーン]

さて、今日の音楽日記は、久々の交響曲である。そして、大曲だ。

ドイツの作曲家メンデルスゾーンは、交響曲を5曲作曲している。
一番有名なのは、明るく華やかで、いかにも快活なイタリアという雰囲気の
交響曲第4番【イタリア】だろう。
私も、この曲はよく知っている。
しかし、他の4曲は、あまり聴いていないし、どんな曲だかも、よく思い出せない。
特に、この第2番【賛歌】は、70分も演奏時間がかかり、
後半は、聖書の言葉からのカンタータということで、ちょっと敬遠していた曲だ。

今日の音楽日記は、メンデルスゾーン作曲の交響曲 第2番【賛歌】である。

この曲の構成は、変わっている。
第1部と第2部よりなり、
 第1部は、全三楽章の管弦楽だけの音楽で、
 第2部は、9曲からなるカンタータの合唱の部分である。
そして、作曲者は、この曲を【交響カンタータ】と呼んでいる。

さて、最初に聴いた感想は、ちょっと違和感があった。
カンタータということで、宗教的で、落ち着いた曲かと思ったのだが・・・

さて、第1部である。
第1楽章の始めのファンフーレ主題からして、
ずいぶん楽天的な音楽だなあ。という感想だ。
とにかく祝典的な音楽で、明るい。
第2楽章の6/8の音楽は、メンデルスゾーンの無言歌を連想する、
とても優雅で旋律的な曲だ。一回聴いて、いいなあと思える。
(この楽章は、好き。)
第3楽章は、ゆっくりした、落ち着いた音楽。しかし、ブラームスのような渋さは、ちょっと無い。

そして、合唱のはいる第2部である。
第2部もファンファーレ主題で始まる。
もちろん、テノール独唱や、ソプラノ二重奏など、いろいろな雰囲気の曲がある。
中でも、第8番のコラールは、なかなかいい。
バッハもこのコラールを使用してカンタータを書いているそうだ。
そして、終曲は、壮大なフーガで、
高らかに「ハレルヤ、主をたたえよ」で、終わる。

全曲を聴いてとにかく、素直な美しさにあふれた曲だという感じだ。
凝っていないと言えばそれまでなのだが、
特に後半の合唱の部分は、美しい。そして、明るい。

ちょっと、気恥ずかしいなあ、と思える部分もあるが、
祝典的な気分になって素直に聴いてみると、
単純だが、美しい音楽とは、こういうものなのかも知れない。

さて、この曲のスコアにメンデルスゾーンが書いてある言葉がある。
「自分は、神への奉仕の中で、芸術、特に音楽を・・・」
という言葉である。

メンデルスゾーンが、神への感謝として、書いた曲なのかもしれない。

メンデルスゾーンは、私は、普段ちょっと聴いていない作曲家の一人だ。
さてさて、合唱曲もちょっと聴いてみるか・・・


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コメント 11

Cecilia

是非「エリヤ」を聴いてください。
私にとっては思い出多い曲です。
この曲や「パウロ」はあまり聴いていないのですが・・・。
by Cecilia (2007-04-10 16:04) 

みどりのこびとちゃん

エリアですか・・・
大曲ですよね。
がんばって聴いてみます。
そのうち、感想書きます。乞うご期待。

宗教曲は、どうも内容がよくわからないので、
自分の曲のイメージと内容が合わないところが、難点ですね。
まあ、いいか(笑)
by みどりのこびとちゃん (2007-04-13 21:45) 

NO NAME

おぉ、早速聴いていただけたのですね、賛歌を…。

明るい、神を讃える壮大な曲想なので、聴いていて充実感がありますね。
でもって合唱のハーモニーの美しさは素晴らしいものがあります。
余談ですが、最初のファンファーレの部分は、私の脳内には「もういくつ寝るとお正月」としか響きませんw。
でももっと聴かれても良い曲だと思います。
交響曲第5番「宗教改革」もルターのコラール「神はわが砦」の旋律の流用があり、一種の宗教曲と言えないこともありません。

エリアも大変な名曲ですが、長いので初めて聴く分にはとっつきにくいかも
知れませんね。

私のお奨めは、以前にご紹介した「詩篇第42番 鹿が谷川の流れを慕いあえぐように OP.42」の第1曲の合唱です。
同じ旋律が始めは密やかに、徐々に分厚く次々とパート別に受け渡され最後に大きな流れとなって響きますが、このハーモニーの清冽な美しさは絶品です。
私の大好きなメンデルスゾーンがそこにあります。

ピアノ曲で更にお奨めを二つばかり。いずれも変奏曲です。
「厳格な変奏曲」はロマンチックなメンデルスゾーンのイメージからはややかけ離れた、渋い真剣な曲で襟を正して聴き入る曲。
ここではメンデルスゾーンはひたすら「真面目」です。
変奏の手法も割りと斬新なところもあり傑作だと思います。

もうひとつは「アンダンテと変奏曲 OP.83a」と言う曲。
これは独奏用に作曲された「変奏曲 変ロ長調 OP.83」の連弾用編曲ですが、独奏曲に比べて変奏の数も多く響きが豊かです。
これはメンデルスゾーンらしい優雅で極めてロマンチックな旋律で、一般に想像するメンデルスゾーンのイメージ通りの曲です。
最終変奏は特に素晴らしく聴き栄えが致します。
by NO NAME (2007-04-16 03:43) 

なるたる

上のコメントは私なるたるです。
失礼致しました。
by なるたる (2007-04-16 03:49) 

みどりのこびとちゃん

そうなんです。なるたるさんが紹介してくれたので、
早速、聴いてみました。
ありがとうございます。

そのおかげで、私の中で、
メンデルスゾーンの再発見(笑)をしている最中です
by みどりのこびとちゃん (2007-04-16 22:46) 

なるたる

そうですか、それは嬉しいことです。
どんどん再発見して新たなメンデルスソーン像を打ち建てちゃいましょうw。
ところで聴かれた賛歌は誰の演奏でだったんでしょうか?

私の断然のお奨めはブリリアントのメンデルスゾーン交響曲全集の中の
Edo de Waart指揮 Radio Filharmonisch Koor & Orkestのものです。
.
ブリリアントは毀誉褒貶相半ばするレーベルですが、時々凄い演奏が埋まっていたりするので油断できません。
この演奏もきびきびしたテンポで、この大曲の宗教的雰囲気を深刻にならずに余すことなく捉えている名演であると思います。
さっぱりとした爽やかな演奏で心がスカッといたします。
合唱のハーモニーはとりわけ壮大で美しく心洗われます。
指揮者とオーケストラによっては粘着質で感傷的すぎるものもありますので
ご注意を。
それとこの曲は作者が色々と改訂を加えていて、色んな版の演奏がありますのでこれも留意下さい。

次はチェロソナタあたりを紹介しようかなw、これがまた素晴らしいんですよ。
by なるたる (2007-04-17 00:07) 

みどりのこびとちゃん

私は、最近は、ナクソス・ミュージック・ライブラリーで、よく聴いています。
(しかし、1890円/月であれだけの曲が聴き放題は安いと思います)
ということなので、賛歌もナクソスライブラリーで聴きました。
バッハ・コレギウムの演奏と、Austrian-Hungarian Philharmonicの演奏と、
アイルランドナショナルシンフォニーオーケストラの演奏ですね。
そうですか、ちょっと版の違いにはわかりませんでした。

詩篇第42番 も聴きましたよ・・・
by みどりのこびとちゃん (2007-04-17 22:40) 

なるたる

交響曲第3番「スコットランド(スコッチ)」も素晴らしいですよ。
「音の詩人」メンデルスゾーンの面目躍如です。
彼が習作時代に書き下ろした、弦楽のための交響曲(全13)曲もはずせません。
若書きの作品ですが、後々のメンデルスゾーンの流麗な作風を彷彿とさせる書法に満ちています。

by なるたる (2008-06-05 21:41) 

みどりのこびとちゃん

前にどかで書きましたが、
私、弦楽のための交響曲は、好きです。
あの、爽快さは、たまりませんね。
今度、メンデルスゾーンのピアノソナタを書こうかなと、思っています
by みどりのこびとちゃん (2008-06-05 23:07) 

Cecilia

あらためて聴いてみてとても面白い曲だと思いました。
かなり気に入りました。(なるたるさんお勧めだったのですね~。)
「聖パウロ」も聴いたし「宗教改革」も聴いています。
「スコットランド」も聴きたくなってきました。(笑)
by Cecilia (2008-06-08 11:12) 

みどりのこびとちゃん

Ceciliaさん、メンデルスゾーン聴いてますね(笑)
なぜか、こちらも、メンデルスゾーンばかりです。
スコットランドも聴きやすい、いい曲ですね
by みどりのこびとちゃん (2008-06-10 23:43) 

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