SSブログ

ピアノソナタ第21番【ワルトシュタイン】(ベートーベン) [ベートーベン]

さて、この音楽日記、バロック音楽から現代音楽まで、いろいろな曲を書いている。
幅広く聴いていると言えば聞こえがいいが、
なんのことはない、あれもいい、これもいい、と
つまみぐいのように聴いているので、
一人の作曲家を掘り下げて聴いていないのかもしれない。

しかし、この音楽日記がいつまで続くかわからないが、
ベートーベンの全32曲のピアノソナタ
ショパンの全24曲のエチュード
リストの超絶技巧練習曲の全12曲
ドビュッシーの前奏曲集全24曲
プロコフィエフの全9曲のピアノソナタ、
そして、ギロックの全24曲ある叙情小曲集 等々・・・
これらは、全部紹介したいなあ、と遠大な計画は、あるにはあるのです。
(ははは、そりぁ絶対に無理というものです(笑)・・・気持ちは大事ですよね)

ということで、その計画に近づくために今日は、
ベートーベンのピアノソナタを紹介しよう。
いままで、この音楽日記では、32曲あるベートーベンのピアノソナタのうち、
9曲書いている。
(8番,14番,15番,17番,23番,29番,30番,31番,32番)
やはり、表題のついているピアノソナタを書いているなあ。

そして、今日の音楽日記は、第21番【ワルトシュタイン】である。

この曲、ハ長調の主和音(ドミソ ですね)の八分音符の連打で始まる。
始まりは、なんということもないが、聴き進むと、
実に堅固な構成で、質実剛健、いかにもベートーベンという音楽がここにはある。

第一楽章・・・第一主題は、転がるような短いモチーフだが、
       さすがベートーベン。こんなモチーフの展開でも雑にならない。
       それに対して、第2主題は、コラール風の対照的な旋律だ。
       (この主題で、プロコィエフが書いたらおもしろそう・・・えっ)
第2楽章・・・短いが、深い精神性あふれる音楽
       一瞬、後期の30番台のソナタを思い浮かべるかな
第3楽章・・・明るい民謡風の主題のロンド。
       でも、それだけでなく、この楽章の構成力は、すばらしい。
       単純なロンド音楽ではない。
       (この主題でリストが書いたら、派手なパラフレーズになりそう・・・えっ)

さて、この曲でも、私が最初に聴いたのは、他のベートーベンのピアノソナタと一緒で、
バックハウスのピアノだった。(モノラル録音のレコード)

そう、このバックハウスの質実剛健の演奏が、基準?となっているので、
いろいろな演奏を聴いても、結局、このバックハウスの演奏にもどってしまう。

このワルトシュタインソナタの演奏上の問題は、終楽章のテンポだろう。
最近の演奏は、かなり早い演奏が多い気がするが、
バックハウスの演奏は、ちょっとテンポがゆっくり目だ。
その分、演奏は気高く、堂々としていると思う。
まあ、最後の部分のPrestissimoの部分を本当に速く弾くか、
イメージとしての速さで、弾くかの違いがあるのかもしれない。

この曲の最後のPrestissimoで、オクターブでハ長調のスケールがでてくる。
グリッサンドで弾く人もいるようだが、
ベートーベンにグリッサンドは、似合わない気がするのは、私だけだろうか?
(あっ、いつものように音楽的見地からではなく、感覚ですよ)

この曲、主題自体は、どれも単純なのに、
ベートーベンのクラッシック音楽という感じが一番でている雰囲気の曲だ。
これだけの主題で聴かせる音楽を作曲するベートーベンもすごいなあ。

さてさて、これで 10曲/32曲中 の紹介が終わった。
先は、長いなあ・・・


nice!(0)  コメント(5) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 5

Robert

ワルトシュタインはやっぱりバックハウスですか。私と同じです。LondonのMZ 5005かMZ 5006というLPに入っている演奏ですね。いまでもそのあとのステレオ録音よりこっちをよく聴いていますよ。第三楽章のオクターブのところはケンプはNHK TVの演奏でグリッサンドで弾いていましたし、松浦豊明氏のライブでも同じでした。しかしバックハウスの演奏ではグリッサンドで弾いているようには聞えませんがどうでしょう?

ベートーヴェンは仰るように簡単な主題で凄い音楽を書きますね。このワルトシュタインも、シンフォニーでは「ミミミドー、レレレシー」なんかこれ以上簡単な主題ありませんものね。
by Robert (2007-02-21 23:52) 

みどりのこびとちゃん

Robertさん、コメントありがとうございます。
やはり、バックハウスですか(笑)
バックハウスは、三楽章は遅めで、あの最後のオクターブは、
多分、両手の音階で弾いていると思います。(勝手な推測)
これはこれでバックハウスにあっていると思いますね。
by みどりのこびとちゃん (2007-02-22 23:29) 

なるたる

以前何かの本で、この曲の最初の和音の何小節かを聴くだけで、演奏者が一流のピアニストかどうかが分ると言う記事を読んだ記憶があります。
ある意味恐ろしい曲です。

その響きの輝かしさにおいて、熱情と双璧をなす曲だと私は思います。

残念ながら、32番のそっけないゴツゴツとした手触りの演奏を聴いて以来
大のバックハウス嫌いの私には、彼の弾くヴァルトシュタインの良さは分りませんw。
知・情・意を三つとも兼ね備えたピアニストはなかなかおりません。
どれも帯に短し、襷に長しです。
by なるたる (2007-09-10 00:38) 

みどりのこびとちゃん

バックハウスは、お嫌いですか?
うーん、私は、最初にベートーベンのピアノソナタを聴いたのが、
バックハウスなので、その印象が強烈なのです。

バックハウスの演奏は、強固とかよくいわれますが、
よく聴くと、テンポの取り方が、微妙になかなか、
うまいとも思うのですが・・・
by みどりのこびとちゃん (2007-09-11 00:26) 

なるたる

バックハウス、まるで駄目なのです。
特にあの32番だけは許せないw。
まだケンプか、いっそのことシュナーベルのほうが…w。
by なるたる (2007-09-11 00:59) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。