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ミルテの花より【献呈(君に捧ぐ)】(シューマン) [シューマン(ロベルト)]

さて、今日は、ある理由から、花に関係する曲を書こうと思った。
(まあ、その理由は、ブログの最後に書くとして・・・)

花に関係する曲は、クラッシック音楽でもかなり多い。
ピアノ曲だけでも、シューマンの【花の曲】のような有名曲から、
ちょっと無名のヴィラ=ロボスの【花の組曲】あたりまで、いろいろある。

と考えていたら、先日テレビのN響アワーで、
ファゴットで演奏されていた曲を思い出した。
その曲は、とても有名な曲で、元々は、声楽曲だが、
その時のファゴットの演奏は、
すごくすごくすてきな音色で、まるで、歌を聴いているようだった。

そう、今日の音楽日記は、
シューマン作曲の歌曲集 ミルテの花 より【献呈(君に捧ぐ)】である。

もちろん、この曲は、声楽曲だが、
実は、私は、声楽曲というより、リスト編曲のピアノ独奏版で、
昔から知っていた。
リスト編曲版は、どちらかというと、ピアノの伴奏が華やかで、
ピアノ独奏曲としては、とても、すばらしいと思うが、
この曲は、やはり原曲の歌の方がいい。

この【ミルテの花】の曲集は、愛するクララとの結婚式の前日に、捧げられている。
(やるなあ、シューマン君。しかし、ロマン派の作曲家はこうじゃなくっちゃあ(笑))

そして、この一曲目の【献呈(君に捧ぐ)】は、恋人を真剣に思う曲である。
「君はわが心・・・君こそすべて・・・」と歌われる。
 (ピアノの最後の伴奏が、アヴェマリアに聞こえるのは、私だけ? す、すいません・・・)

旋律は、明瞭だ。はっきりしている。
しかし、けっして、熱烈で激情の曲ではないような気がする。
私は、なにか、心の中を情熱を秘めて歌う感じの演奏の方が好きだなあ。

ちなみに、ミルテの花とは、ギンバイカの花のことで、地中海沿岸の花だそうだ。
結婚式に用いられ、花嫁のブーケにも使われるらしい。

さてさて、今日は、なぜ、花に関係する曲を書いたのか?
***************************************************************************
実は、先日、本屋で、【みどりのゆび】(岩波少年文庫)という本を買って読んだ。
この本の主人公チトは、花を咲かせる指を持っているのですね。
その力を使って・・・・(続きに、興味のある人は、買って読んでね)

という本です。

うーん。私なんかは、この本に出てくる大人と一緒で、
「それは、そうだけど、現実はなかなか難しいなあ。そんなにうまくいかないよ」
とついつい考えてしまいますが、
少年のような純粋な心も、時には、やはり必要なのかもしれません。

と、何を言っているか自分ても、わからない、みどりのこびとちゃんでした。
(しかし、本当に、なかなか考えさせる、いい本ですよ)


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Cecilia

早速読んでいただいたようで・・・ありがとうございます。
実は私はこの作品、「おやこ劇場」の映画会でアニメ版を見たものの、原作はまだ全部読んでいませんでした。(借りてきて斜め読みしかしていないのです。)もう一度読みたくなりました。
みどりのこびとちゃんの指は音楽を紡ぎだす指ですね。

ところでこの「献呈」・・・私はずっとシューマンがあまり好きではなかったのですが、珍しく好きな曲の一つです。確かに最後が「ア~ヴェ・マリ~ア」に聴こえると以前から感じていました。(しつこく二回もやっていますね!)
好きではなかったものでシューマンの歌曲のCDもあまり持っていなくて、持っているのがフィッシャー・ディースカウの「詩人の恋」とブリギッテ・ファスベンダーの「女の愛と生涯」が入っているものしかないかなあ・・・と思っていたら、ありました!それは「仮面の中のアリア」という映画のサントラ盤なのですが、NAXOSでも聴けます。ANALEKTAというレーベルの「音楽教師」(MUSIC TEACHER)というCDに入っています。シューマンで検索すれば声楽曲の中にあります。ホセ・ヴァン・ダムというかなり有名な人が歌っていますので是非お聴きください。(映画のサントラ盤なので、これ以外にもマーラーのシンフォニー、オペラアリア、シューベルトのAn die Musicなど普通のCDでは考えられない組み合わせで入っていますよ。)

それと、私のカスタムペインに載せている「音楽の大福帳」というブログ(作曲家の中村洋子さんのブログです。)でシューマンがバッハから受けた影響などについても書かれてありますので、みどりのこびとちゃんにオススメです。
この先生、時々アナリーゼ講座を開かれていますので、機会があれば是非行ってみてください。
by Cecilia (2006-11-28 12:01) 

みどりのこびとちゃん

Ceciliaさん、よい本を紹介してくれてありがとうございます。
早速、小学生の我が娘にも本を貸しました。
まあ、どんな風に感じるかは、わかりませんが・・・

「音楽教師」のCD聴きましたよ。よいです。
確かに、いろいろな曲がバラバラに入っていますね(笑)
ゆっくり、後で、全部聴いてみようと思います。

「音楽の大福帳」ちょっと見ました。
あーあ、シューマンが言っていること、
みどりのこびとちゃんは、全然守ってないんだなあ・・・
いかん、いかん、改めなくては・・・
by みどりのこびとちゃん (2006-11-28 22:51) 

Robert

Schumannの「君に捧ぐ」を取り上げてくださってありがとうございます。この曲ほんとに大好きです。Schumannの歌曲に魅せられたきっかけはこの曲でした。ほとばしるような恋愛感情ですね。Schreier, Fischer-Dieskau, Edith Mathis, Elly Amelling, 白井光子, Anneliese Rothenberger, etc.いろいろ楽しんでいます。

その後1840年が「歌の年」で膨大な歌曲が次々に生み出された、というような話に興味を持ったのもこの曲のおかげです。(きっと「凝り性」なんでしょうね。私も凝り性ですので波長が合いそうです?)「君はわが憩い、安らぎ、天から僕への授かり物・・・」(Du bist die Ruh', du bist die Frieden, du bist von Himmel mir beschieden,)というところ、陶酔の中にAve Mariaの旋律が聞こえる終結が好きですね。

この曲をきっかけにSchumannの歌曲を聴きあさりました。どれもこの曲と同じように気品ある旋律と、ピアノが美しいですね。
by Robert (2006-11-28 23:55) 

みどりのこびとちゃん

Robertさん。コメントありがとうございます。
そう、おっしゃる通り、シューマンの歌曲は、どれも
気品があり、ピアノが美しいと思います。
私は、もう少し、数多く聴いてみようと思っています。

ちなみに、多分、私も凝り性かもしれません(笑)
by みどりのこびとちゃん (2006-11-29 21:38) 

なるたる

シューマンの管弦楽付き大規模合唱曲の美しさなんかはどうでしょうか。
「レクイエム」・「ミサ曲」・「ファウストからの情景」・「楽園とペリ」・「ばらの巡礼」等の透明感・クリアな響きはモヤモヤ感漂うシューマンの印象を見事に払拭してくれます。
一般には膾炙していませんが、これらの作品を聴けば、シューマンの世界が全く新しい転換を見せると思います。
by なるたる (2007-03-24 18:53) 

みどりのこびとちゃん

おっと、シューマンの
「レクイエム」・「ミサ曲」・「ファウストからの情景」・「楽園とペリ」・「ばらの巡礼」ですか。
す、すいません。聴いたことがありません。今度聴いてみます(笑)

正直、いまだに、
シューマンの交響曲等の管弦楽曲は、ちょっと
私には、聴きにくい曲なのです。
(無名な4つのホルン協奏曲などは、好きなのですが・・・)

そうか、管弦楽付き合唱曲なら、モヤモヤ感が晴れるかもしれませんね。
ちょっと新しい世界を聴いてみます。
by みどりのこびとちゃん (2007-03-25 20:59) 

なるたる

シューマンの良く出来た歌曲の素晴らしさはいくら誉めても誉めすぎと言うことはない様な気がします。
シューマン以前には、あのシューベルトでさえ詩と音楽の完全な融合に
成功したとは言えません。
シューマンおたくの贔屓の引き倒しになるかもしれませんが、彼の歌曲は
私にとって他には替え難いものなのです。
更にピアノ伴奏の充実、単なる伴奏の枠を超えて詩の本質と分かちがたく結びついた伴奏は比類がありません。

とは言え、この献呈は非常に有名なのですが、私はあまりにもあけすけで露骨な歌詞であまり好きとは言えません、慎みと言うものがない。
恋愛至上主義の曲なんだなぁ。
何だかこっぱずかしい、穴があったら入りたいくらいの愛の賛歌なんですよねw。
旋律も直裁過ぎて深みが足らないなぁ。

私が若くないせいもありますが、心を捉える美しい旋律に満ち、なおかつ哀しみや苦味、敬虔さや人生の機微に触れるような深みを湛えた曲のほうがぐっと来ます。
後期に行くほどその要素が強くなります。
メアリー・スチュアート女王の詩(op.135 全5曲)などはひたすら悲痛です。
どの詩から題材を取ったかと言うことも、非常に重要な要素かと思います。

そこで私のオススメです(作曲年代はまちまちで、比較的聴きやすい曲を選びました)。

・4つの二重唱(op.34)より第4曲「家族の肖像」
・「ケルナーの詩による12の歌曲」(op.35)から第10曲「ひそやかなる涙」
・スペインのリーダーシュピール(op.74)より第4曲「夜に」(2重唱)
・歌曲集第3集(op.77)から第3曲「心の近さ」
・「レーナウの6つの詩による歌曲とレクイエム」(op.90)から第2曲「わたし のばら」および第7曲「レクイエム」
・「ゲーテのヴィルヘルム・マイスターによる歌曲集」(op.98a)から第1曲  「君よ知るや南の国」および第9曲「このままの姿でいさせて」

これらは私が初めて聴いて唯の一度で惹きつけられた曲ばかりで、多分みどりのこびとさんも気に入られることと思います。
どの曲もNMLで聴けますが、歌手の白井光子さんの歌声は絶品です。
これほど深い情感を以ってシューマンを歌いこなす人を、私は外国人も含めて他に知りません。

もしお聴きになってみて1曲でも気に入られたら、是非記事にしていただけると嬉しいです。
by なるたる (2010-04-26 00:13) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
今、ちょっと、頭の中が、シューマンモードになっているので、
聞いてみます。
以前は、いまいち、ぴんとこなかった「ファウストからの情景」が、
なんとなく、いいではないか、と思える今日この頃です。

by みどりのこびとちゃん (2010-04-29 22:32) 

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