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ピアノ協奏曲 イ短調(シューマン) [シューマン(ロベルト)]

さて、小品が続いたので、今日は、ピアノ協奏曲である。
金曜の夜、寝付けなかったので、立て続けにピアノ協奏曲を何曲か聴いていた。
基本的にロマン派のピアノ協奏曲や、ロシアのピアノ協奏曲は、大好きなので、
楽譜片手に、いろいろ、聴いているうちに朝になってしまった。
いかん、いかん、しかし、眠くない。
でも、ちょっとでも睡眠をとらなくては・・・・・

その中で、やはり、いいなあ、と思ったピアノ協奏曲がシューマンの曲だった。

今日の音楽日記は、きっと、ファンも多いであろう、(ですよね)
有名なシューマン作曲の【ピアノ協奏曲 イ短調】である。

さて、この曲の構成とか、作曲された背景は、おいといて、
単純に私が個人的に好きな箇所を取り上げてみよう。

好きな場所 その1
【出だしのかっこいいピアノと、それに続く、木管の第一主題】

そう、出だしは、管弦楽の一撃の後に、きわめて華麗に入ってくる。
余談だが、シューマンには、このピアノ協奏曲の基となった、
ピアノと管弦楽の為の幻想曲 という曲がある。
ピアノ協奏曲の第一楽章と同じ曲(もちろん部分部分違う)なのだが、
この曲の始まりは、ピアノは、同じ音型なのだが、
ピアノが入ってから、管弦楽の一撃がある。
すごく違和感がある始まりだが、聴き比べるのも、おもしろいですよ。

話が横道にそれたが、大好きなのは、それに続く、第一主題である。
ロシアのピアノ協奏曲のねちっこく、甘く、せつない旋律も好きだが、
このシューマンの素朴だか、甘く、切ない旋律は、格別である。
(私には、雰囲気は、シューベルトのアルペジョーネソナタの第一主題
 と同じように聞こえますね)
そう、この主題が、いろいろ、形を変えるのだが、
室内楽のような場所もあって、幸せな気分が続く

好きな場所 その2
【第一楽章後半のカデンツァ】

これ、いいんですよ。
全く、歯が立たないのですが、ピアノで、弾いてみると、
技巧的には、さほどでもない(オイオイ違うだろう)のですが、響きがとてもいい。
そんな派手派手というわけでもないのだが、このピアノ協奏曲にぴったりのカデンツァの音楽。

好きな場所 その3
【短い第2楽章】

ちょっと、可憐でかわいらしい第2楽章は、
この曲全体のアクセントとなっている気がする。

好きな場所 その4
【何拍子かわかりにくい、第3楽章の主題】

ははは、ここって、CDを聴きながら、ピアノを弾くと(これぞ素人の楽しみ(笑))
何拍子かわからなくなって、ずれてきませんか?
(って、そんな聴き方しないですか・・・)

好きな場所 その5
【何故か、ひかれる三楽章のコーダ】

そう、この部分は、別に両手オクターブで、ガンガンと言うわけでは、ない。
しかし、この部分の和声進行と、ピアノの華麗な走句は、
気持ちをすっきりさせ、快適で幸せな気分にさせてくれる。

ロマン派のピアノ協奏曲としては、特に、独創的な部分がある訳ではないのかもしれない。
しかし、全体を通して聴くと、
この当時のピアノ協奏曲の中では、旋律にしても、管弦楽の書法にしても、
もちろんピアノの扱いにしても、抜きんでた存在だと思う。
なんてったって、聴いていて、気分がいい曲です。

もちろん初演のピアノは、クララさんです。
(そうだよなあ、なんとなく、クララさんが好きそうな音楽(根拠なし(笑)))

さてさて、寝るか・・・・・


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ヒロノミン

お邪魔します。この曲の出だし、昔プロ野球珍プレーで使われてるのを見たことがあります。ちょうど選手がボールをお手玉した末にエラーをしてしまったというシーンで使われていたんですが、選手の切なそうな顔と木管の切ないメロディーがぴったりはまって、大笑いした覚えがあります(笑)
珍プレーといえばグリーグのピアノ協奏曲が定番ですが、この曲もなかなかイイ選曲だと思いました・・・
by ヒロノミン (2006-09-30 20:02) 

みどりのこびとちゃん

ヒロノミンVさん、コメントありがとうございます。
そうですか、プロ野球の珍プレーに使われていましたか、
合わなそうで、確かに合いそうです。(笑)
日記には、書かなかったのですが、この曲の使用の最大傑作は、
なんといっても、ウルトラセブンの最終回ですね。
実に印象的です。すばらしい。
by みどりのこびとちゃん (2006-10-01 21:18) 

なるたる

シューマンの協奏曲はピアノのもヴァイオリンのもチェロのも、彼独特の体臭が強く感じられて好きです。
この曲も出だしのピアノの部分の響きからして、まぎれもないシューマンなんですよね。
う~ん、シューマン 、やっぱりシューマン、そんな感じですw。

私も第1楽章のカデンツァと第3楽章の終結部(ワルツのリズムでピアノが右手で8分音符6個単位の走句を奏でるところ)は好きです。

第2楽章は、シューマン嫌いがよくその稚拙さを罵倒する箇所でもあり、シューマン大好きの私は罵倒こそしませんが、ちと物足りないですw。

ところで、シューマンにはへ長調と変ホ長調のいずれも未完の2曲のピアノ協奏曲があり、ゲテモノ大好きな私は八方手を尽くしてこのCDを捜していますが、未だ見果てぬ夢となっています。
by なるたる (2007-08-19 02:00) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、さすがに、ゲテモノ好きですね(笑)
未完のヘ長調と変ホ長調ですか・・・
作品表には、確かに未完の作品としてありますね。
どんな楽譜なんだろう・・・興味あります。

ということは、ニ短調の第一楽章完成版のピアノ協奏曲は、
聞いたことがあるのですよね。
(スコアは、安く出ていますよね)
by みどりのこびとちゃん (2007-08-19 23:01) 

なるたる

>ニ短調の第一楽章完成版のピアノ協奏曲は、聞いたことがあるのですよね。

クララ・シューマンの2曲のピアノ協奏曲(1曲は未完)とカップリングになった
CDを所有しています。
by なるたる (2007-08-20 00:20) 

みどりのこびとちゃん

さすがです。なるたるさん
by みどりのこびとちゃん (2007-08-20 23:49) 

なるたる

最近ピアノ独奏曲やピアノ協奏曲を聴くことが少なくなりました。
もう暫く聴いていない。
オペラと声楽曲と室内楽ばっかですw。
どうしてなんだろう。

これじゃいかんと思い立ち、古いシューマンの協奏曲全集を引っ張り出してきましたよ。
お目当ては「序奏とアレグロアパショナート op92」と「序奏とアレグロ OP134」。
どちらもピアノと管弦楽のための作品で、「1楽章形式のピアノ小協奏曲」と言ったところです。

2曲ともシューマン独特の色の濃いロマンティシズムに彩られた作品で、
私はピアノ協奏曲と並んで好きです。
シューマンのピアノ協奏曲好きならば、間違いなく気に入る曲です。

演奏に高度な技巧を要求し、内容的にもピアノ協奏曲より優れてるかもしれないと密かに思っています。
「序奏とアレグロ」は童謡「赤とんぼ」とそっくりの旋律があり、思わずにんまりしてしまいます。

「ヴァイオリン協奏曲 OP129」や「ヴァイオリンとオーケストラのための幻想曲 OP131」も久々に聴き直し、どっぷりとシューマンの世界に浸ることができました。
やっぱり私は心底シューマン好きですw。

以上の4曲は、機会があれば是非ともお取り上げいただきたく思います。

by なるたる (2008-09-10 02:53) 

みどりのこびとちゃん

シューマンのピアノと管弦楽の曲は、もちろん知っていますが、
ちょっと、とっつきにくかったので、最近聴いていません。
ちょっと聴いてみよっと・・・

シューマンは、そのうち、あのショパンでもやった、
100人中1人しか知らないシリーズを計画中です。
(これがね、選曲なかなか難しくて、・・・)
by みどりのこびとちゃん (2008-09-12 00:33) 

予言の鳥

こんにちは

シューマンのピアノ協奏曲イ短調は、一番好きな協奏曲です(特に第三楽章は最高です!!)。お気に入りの演奏はマズア・レーゼル盤です。

シューコン関連の最新の話題なのですが、シューマンが若い頃(初期)に書いた、ヘ長調協奏曲が世界初録音されました。!!!
RCAのシューマンピアノ協奏曲集盤に収録されています。シューマンの誕生日にリリースだそうです。今年は生誕記念なので、各レーベルからボックスが出ていますが、これもシューマンファンには嬉しいニュースだと思います。早く全曲が聴きたい・・・。

youtubeにupされていたので聴いてみてください。
こちらは第三楽章です。第二楽章は別オケとのライブ演奏があります(右上)。
  ↓
http://www.youtube.com/watch?v=QzaGJIr6Dl4


by 予言の鳥 (2010-04-09 04:54) 

みどりのこびとちゃん

予言の鳥さん、コメントありがとうございます。

おおっと、シューマンの未完のピアノ協奏曲だあ・・・
ニ短調の断章は、いままで聞いたことあるけど、
これは、はじめてです。
さてさて、CD
買わなくっちゃあ・・・・
by みどりのこびとちゃん (2010-04-10 00:40) 

予言の鳥

こんにちは

先日お伝えした、シューマンの5つの世界初録音を含むピアノ協奏曲全集ですが、詳細が明らかになりました!!!
http://mihin.mie1.net/e215674.html
by 予言の鳥 (2010-04-18 23:33) 

なるたる

プログ主ではありませんが、予言の鳥様、貴重な情報ありがとうございます。
みどりのこびとさん、僭越な発言お許しください。

早速アリアCDに問い合わせをして注文を出すつもりです。
シューマンの未録音の作品が生誕200年を機に次々と
リリースされその姿を現すことは、シューマンおたくを自認する
私などにとっては、まことに喜ばしいものがあります。

これまで入手の出来なかった管弦楽と独唱と合唱のためのバラード
「歌びとの呪い」・「王子」・「小姓と王女」・「エーデンハルの幸福」も今回
の一連の企画でやっと日の目を見て初めてオーダーが出来(復刻版ですが)、喜びびに打ち震えております。
シューマンイヤー様々であります。
by なるたる (2010-04-20 00:00) 

みどりのこびとちゃん

予言の鳥さん、情報ありがとうございます。
これは、すばらしいです。
うーん、あと、シューマンの未完のピアノ協奏曲は、
変ホ長調があると思うのですが、・・・
でも、これは、マニアにはたまらないでしょうね
by みどりのこびとちゃん (2010-04-20 23:18) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
これで、なるたるさんの見果てぬ夢の一つは、かないましたね。
あとは、変ホ長調のピアノ協奏曲だけですか(笑)
今年、音にならないと、いつになることやら・・・
by みどりのこびとちゃん (2010-04-20 23:21) 

なるたる

実は良く調べてみたら、シューマンのピアノ協奏曲はもう一曲未完のホ短調の曲があることがわかりました。
で、変ホ長調もこのホ短調も原稿は消失してしまい再現不可です。
従っていつまで経っても聴くことは出来ませんorz。

もっともどちらもシューマン17,18歳の頃の作品なので、仮に遺っていたとしても大した曲ではないかも知れません…。

交響曲も、以前お話しした「ツヴィッカウ」以外にも変ホ長調「ハムレット」と言う未完?・断片?の曲もあるらしいのですが、詳細は不明です(楽譜は1981年に出版)。
by なるたる (2010-04-21 10:59) 

予言の鳥

こんにちは

SONY・RCAのシューマン・ピアノ協奏曲全集は、国内盤が6月23日にリリースされます。

他のシューマン新情報もまとめてここに書きます。

ハーディングが今年の3月20日に、ドレスデンで行ったシューマン特集のライブがDVD(ARTHAUS・MUSIK)になったようです(発売時期の情報はまだです)。
この演奏会はウェブラジオでも録音放送されました。
しかし、スケルツォト短調の途中で放送事故があり一時中断しました。前半部分は色とりどりの小品の第13曲と同じだったのですが、中断再開後は第12曲になっていました。

PVが視聴できます(ラインの一部)。

http://www.semperoper.de/de/staatskapelle/audio_video.html

プログラム
1.ゲノフェーファ序曲
2.スケルツォト短調(未完の交響曲ハ短調・後に色とりどりの小品に転用)
3.夜の歌
4.ミニョンのためのレクイエム
5.交響曲ライン


ライプツィヒ弦楽四重奏団の新譜、シューマン弦楽四重奏全曲&ピアノ五重奏は、弦楽四重奏曲に初稿版(初演譜?)を用いたオリジナルバージョン初録音。
現在演奏されている版は、初演後から出版までの間に改訂されたもので、オリジナルの第一番は現行版と相違点が多くあり、二番は序奏付きになっているとのこと。
今回の来日公演は新版(初稿版)で演奏したそうです。

レーベルのサイトから
http://www.mdg.de/pdf/1610e.pdf
by 予言の鳥 (2010-05-04 01:47) 

みどりのこびとちゃん

予言の鳥さん、コメントありがとうございます。
いやいや、シューマンオタクには、たまらない情報ですね。
シューマンピアノ協奏曲全集は、買う予定です。

by みどりのこびとちゃん (2010-05-05 21:56) 

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