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ピアノソナタ第8番 悲愴 (ベートーベン) [ベートーベン]

毎日、暑い日が続く。
通勤途中に聴く音楽にしても、重々しい曲にはならないし、
会社から帰って、夜にちょこっと弾く曲も、電子ピアノをチェンバロの音色にして、
バッハのBWV924やBWV999やBWV926等の初心者向けの曲を
弾いて楽しんでいる。(って、どんな曲かわかりますか? わかりませんよね)

しかし、あまのじゃくなもので、そんな曲ばかり聴いたり、弾いたりしていると、
違った曲を聴きたくなる。
ということで、今日は、なぜかベートーベンの後期のピアノソナタを聴いていた。
夏に、こんな曲もいいなあ。(本当かあ・・・暑くならないかあ・・・)
しかし、ベートーベンのピアノソナタの第29番から最後の第32番までは、
すでにこの音楽日記に書いてしまった。

ということで、内容的には、後期のソナタとは全然違うのだが、
今日は、ベートーベンの初期のピアノソナタの傑作で、有名曲。
【ピアノソナタ第8番 悲愴】のことを書いてみよう。(おっと、全然前と、脈絡がないぞ)

この曲ベートーベンのピアノ曲の中ではかなりの人気曲である。
たぶん理由としては、
 1.ベートーベン自身が付けた【悲愴】という表題がいい。
 2.思ったより弾くのに難しくなく、かっこよく弾ける。
 3.左右の交差があったり、かっこいい
 4.どの楽章の旋律もわかりやすく、印象的である。
 5.特に二楽章の旋律は、ポピュラーにもつかわれる程、美しい旋律。
      等々

しかし、こんな曲ほど、あぶないのものである。
いろいろ罠がまっているのである。
技巧的には、三楽章にしても、一楽章の主部にしても粒がそろってなくてはいけないし、
テンポも一定に守らなくてはいけないし。
二楽章も歌いすぎず、かといって、淡々とではない弾き方は、これまた難しい。

が、なんといっても一番やっかいなのは、
この曲のテーマであろう【悲愴】を表現した、
最初のGrave(重々しく)の場所だろう。

この曲を弾いたり、譜読みをしたことのある人は、
ここをどんな感じで弾いているのだろう?

Aさん「やっぱり、ガツンと重々しく、ロマン派的に思いっきり表情をつけて、
    感情をこめて弾くべきだなあ。ベートーベンの感情はそうだよ。」
Bさん「いやいや、ベートーベンの心は、フォルテは、控えめで、後期ソナタのように
    感情や表情も内に秘めて弾くべきじゃないのかなあ。」
Cさん「いやいや、皆さん、【悲愴】の表題にこだわりすぎですよ、
    この時代の楽器のことを考えてください。軽く、ちょっと早めに弾くのですよ。」
Dさん「いいなあ、みんな弾けて、私は、音を取るだけで、せいいっぱいです。はい。」

もちろん、みどりのこびとちゃんは、Dさんです(笑)

そう、別にこの部分の解釈に正解はない。
現に、いろいろなピアニストがいろいろな解釈をしている。
しかし、ここの解釈を他の部分や他の楽章と有機的にむすびつけられるかどうか?
それが非常に難しい所だ。

ちょっと今日は、理屈ぽくなってしまった。
たが、確かに技巧的には、弾きやすいし、
ベートーベンのピアノソナタの入り口としては、最適な名曲だろう。
それに弾けたら楽しいだろうなあ・・・・

追記
この曲の第2楽章は、いろいろなところで、使われているが、
私は、どうしても、ビリー・ジョエルの「ディスナイト」を思いだしてしまうのです。
いやあ、懐かしい。このビリージョエルの曲は、名曲だったなあ。
って、古すぎますか?(すいません・・・・)


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コメント 14

ピアノフォルテ

ベートーベンの目と耳の調子が悪くなったときの曲と、聞いた事があります。
だから悲愴なのかしら・・。
でも1楽章の重々しさは「悲愴」ですが、そのあとのメロディーや、3楽章は「躍動的」だと思いますし、2楽章は「心の平穏」って言うイメージで、悲愴感は感じないのですが。
ぁ、悲愴と悲壮って意味が違いますよね。高校のとき3楽章をめちゃくちゃな下手くそ演奏で弾きました。涙
by ピアノフォルテ (2006-08-28 16:26) 

みどりのこびとちゃん

今、国語辞典で調べてみました。悲愴と悲壮は、意味が違うんですね。
勉強になりました。
この曲の表題の本来は、どっちの意味なのだろうか?
まあ、ドイツ語も本来の意味があるんだろうなあ・・・・
しかし、高校時代のめちゃ下手と言っている演奏が聴いてみたい(笑)
by みどりのこびとちゃん (2006-08-28 20:58) 

nyankome

この曲は中学生のときから「聴いている」お気に入りの曲なのですが、やはり冒頭の和音が一番のポイントですね。強すぎず、でも重みを持ってですね。
第2楽章のアンダンテ・カンタービレはロマンティックですね。
by nyankome (2006-08-29 08:09) 

Cecilia

大学の時に音大目指していたけれどやめた、という上手な友達の演奏を聴いて憧れていた曲です。
大人になってピアノを再開して久しぶりの発表会で3楽章を弾きました。(22歳の頃でしたね。)
途中でわからなくなって悲惨でしたね~!
長女は4年生になる前の春休みにレッスンで弾きました。
子供でも弾けてしまう曲なんだな~とショックでした。(ピアノの先生も「簡単だ。」とおっしゃるし・・・。)
しかし、所詮子供は子供の演奏だと思いました。
by Cecilia (2006-08-29 09:33) 

Cecilia

そういえば何年か前に車のCMで松田聖子がこの曲の2楽章をアレンジした歌を歌っているのが流れていましたよ。
by Cecilia (2006-08-29 09:35) 

みどりのこびとちゃん

nyankomeさんコメントありがとうございます。
この曲の二楽章は、ロマンティックで、ギターでも合いそうですね
この曲のファンって実は、多いのかも・・・
by みどりのこびとちゃん (2006-08-29 21:10) 

みどりのこびとちゃん

みんな3楽章が、悲愴になるのだろうか(笑)
しかし、松田聖子が歌っていたのは知りませんでしたね。
ファンのかみさんに聞いてみます。
by みどりのこびとちゃん (2006-08-29 21:14) 

shin-ra

私はCさんの意見に1票です(笑)

私は「悲愴」と同じc mollの5番を練習中です。
いつか悲愴が弾けるようになりたいです。
by shin-ra (2006-09-01 06:36) 

みどりのこびとちゃん

shin-raさん。コメントありがとうございます。
Cさんの意見は、二楽章や三楽章の曲想を考えると、確かに、
一番いいのかもしれません。
まあ、ベートーベンは、やっかいです。(笑)
by みどりのこびとちゃん (2006-09-01 23:01) 

リャド好き

ショパンが好きな人が大勢いますが、私はベートーベンが好きです。

心の中にある恋心、絶望感、希望を持ち続けているという感がメロディーに現れていますよね。

音楽は心の主張だ!
by リャド好き (2007-01-18 12:55) 

みどりのこびとちゃん

リャド好きさん、過去記事へのコメントありがとうございます。
「音楽は、心の主張だ!」・・・いい言葉です。
私は、いつも、心のイメージで音楽を聴いています。
by みどりのこびとちゃん (2007-01-18 22:29) 

みゅ~

私が、初めて「悲愴」を弾いたのは、高校生の時でした。
最近、娘達のピアノや「のだめ」の影響で、昔の楽譜を引っ張り出してきては、いろいろ弾いています。
どんな曲も、●年経って弾いてみると、また違ったイメージが沸いてきたり、
自分なりの解釈を考えながら、だったりで、あらためて、クラシック音楽はいいなぁなどと浸っています。
by みゅ~ (2007-01-24 14:56) 

みゅ~

そういえば、「のだめ」は、この曲のこと、
「おじいちゃんとおばあちゃんが新築された家へお引越する時の歌」とか
なんとか言ってましたね。
by みゅ~ (2007-01-24 14:59) 

みどりのこびとちゃん

「のだめ」の影響は、我が家でもすごいです。
娘は、モーッアルトの2台のピアノソナタを
無理やり旋律だけ弾こうとするし、
車の中で、ラフマニノフが流れていたりします(笑)
by みどりのこびとちゃん (2007-01-24 22:19) 

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