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ゴールドベルク変奏曲(バッハ) [バッハ(J.S.)]

さて、眠れぬ夜のクラッシック音楽ベスト5には、必ずはいるであろう。
今日の音楽日記は、バッハ作曲のゴールドベルク変奏曲である。

さて、この曲の作曲経過は有名である。
とある伯爵は、健康がすぐれず、不眠に悩んでいた。
おかかえのチェンバロ弾き(ゴールドベルクさん)に、不眠の夜に弾いてもらう曲を
バッハに頼んで、作曲してもらった。
これがこのゴールドベルク変奏曲である。
(このころの貴族は、いいよなあ。
 「眠れないから、ゴールドベルクにチェンバロ弾かせるから、
  ちょっと、バッハ君。僕の為に曲書いてよ」
 みたいな感じだろうか・・・)

曲は、主題(本当に美しいアリアです)と30の変奏曲からなり、
3曲毎に違ったカノンが入る構成となっている。

私は、この曲は、バッハの曲にはめずらしく、
構成がどうだとか、
作曲技法がどうだとか、
バス声部の動きがどうだとか、
考えずに、全体のイメージで聴く曲だと思う。

この変奏曲の全体のイメージは、気高く、歌があり、音楽の喜びを与えてくれる。
聴いていると、音楽とはこういうものかと、抽象的な感覚だが、思える世界に入れる。
そんな曲なのである。
(そう、この曲では、なにかの情景などではなく、音楽そのものが頭の中を駆けめぐる。)
(同じバッハでも、シャコンヌは、音楽の喜びより、音楽の至高さ、究極さを感じますね。)

さて、この曲には、どうしても避けられない演奏がある。
それは、カナダのピアニスト、グレングールドが残した2種類の録音である。

おそらく、ほとんどのクラッシックの雑誌や批評で、絶賛されているこの2種類の録音は、
私も、確かにすばらしい演奏だと思う。
いろいろ絶賛されていても、私には、えっと思える演奏もよくあるのだが、これは違う。
確かに名演奏であると思う。
1955年録音と1981年の録音があり、
テンポや音の響き、解釈も全く違う録音であるにもかかわらず、
両方ともに、私には、音楽のすばらしさが聞こえてくる音なのである。

さて、名演奏とは、なんだろう。
私は、その演奏家が曲に対して持っているイメージを
(もちろん、それは、なにかの情景、音色、香り、構成力、技巧、等いろいろあるだろう。)
いかにして音で伝えられるかということだと思う。
伝える為には、テクニックの練習が必要だろうし、いろいろな体験も必要だろう。
そして、なによりも、自分のもっているイメージを音にだす強い意志が必要だと思う。
(だからこそ、聴いている人に何かが伝わる)

このグレングールドの演奏には、その強い意志がある。
そして、それが音を通して伝わってくる。

これこそが名演だと思う。

今日は、ちょっと真面目な音楽日記になってしまった。
とはいえ、私のことなので、時間がたつと名演に対する考えが変わるかもしれない。
(人の心は、変わるものである。(笑))

しかし、ゴールドベルク変奏曲を、聴くまでもなく、
春になると、不眠どころか、
朝は、起きたくなくなるほど、熟睡している毎日である。


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なるたる

ゴルトベルク変奏曲の微に入り細を穿つ変奏の数々は、消化不良を起こしそうで平均的日本人の私には荷が勝ちすぎます。

私は変奏とは何の関係もない最後の「クォリドベリット」が一番好きですw。
これだけは完全に暗誦してしまいました。
風呂場でよく一人で鼻歌まじりで口ずさんでいます。
by なるたる (2007-04-27 01:06) 

みどりのこびとちゃん

風呂場で、この曲を鼻歌ですか。
いいです。粋です。
by みどりのこびとちゃん (2007-04-27 22:14) 

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